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21世紀最大の謎? 「一体、何が面白いのか」PPAP大流行の秘密をひも解く

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謎だらけのニュースです。

 

 「PPAP」の大ブームによって今、多くの日本人が、世界が、そして当のピコ太郎が困惑していることでしょう。この状況に対して、様々な専門家による作品の解説や、解説不可能という解説が出回り始めています。そして、「一体、何が面白いのだろうか」という問いに結局答えられずにいます。なぜこのような不可思議な状況に陥ってしまっているのでしょうか? 東京藝術大学音楽環境創造科出身で、コンテンツマーケティングなどの領域に関わるPRプランナーが考察します。

 まず、多くの人がPPAPのオリジナル動画やピコ太郎に焦点を当てていること自体が問題の根底にあると考えられます。YouTubeのランキングで日本人初の1位、10月19日付の米ビルボード総合チャートに77位でランクインという目に見える業績を得たことで日本のマスメディアからも注目され、一躍注目の的となったピコ太郎ですが、この業績に対してなぜ「PPAP」が受けたのかと問うてしまうことに、歪みが生じているのです。

 そもそも、「PPAP」を一つの自律した作品としてではなく、WEB上で発生した「現象」と捉え直すところから考えたいと思います。先に結論としての定義をするならば、「PPAP」とは、ピコ太郎が作成した動画をモチーフにしたWEB上の二次創作の総体による現象を指し示す概念であり、ピコ太郎及びその動画は二次創作のための元ネタ、あるいはその参照動画でしかなく、ピコ太郎に対して世界が夢中になっているわけではないことを改めて認識する必要があります。これによって、なぜピコ太郎が人気を得たのかという問いに対して、そもそもピコ太郎が主体的に人気を得ているわけではない、という回答を出すことができ、その困惑を回避することができます。

 確かに、ピコ太郎によるPPAPの動画はYouTubeのランキングで1位を獲得しましたし、一部の人にとっては妙にクセになる、頭から離れないなどの印象を与えているようですが、この動画を見ることにPPAPの醍醐味があるわけではありません。むしろ、インド人のダンスバージョン(再生回数200万回以上、複数動画の総数、2016年11月4日時点)が面白すぎる、ドイツ人のバラードバージョン(再生回数300万回以上、2016年11月4日時点)のクオリティがすごい、シュールであるなどの反応の方が「面白い」、「良い」という点がより明確に見えています。

 後発ではありますが、映画『デスノート』のプロモーションとして発表された「死神リューク」とのコラボ動画は公開からわずか2日で再生回数600万回を超えており(2016年11月4日時点)、これに対してもYouTube上のコメントやツイッター上でかなりの盛況ぶりを見せています。

 さらには、ツイッター上で「要するにこういうことでしょ?」というイラスト、あるいは全く違う素材をはめ込んだパロディ的イラスト、など動画以外の手法で表現している人もいます。これらの二次創作の再生回数やシェア、リツイート数で考えると、「PPAP」という現象の総体はピコ太郎の再生回数をはるかに凌駕しており、その主役はやはりピコ太郎ではなく「匿名的な彼ら」というべきでしょう。